今回はこれまでの記事で紹介してきた自動化のツールやスクリプトなどの機能を使って、入稿データの作成を自動化する方法をまとめました。これまで記事にした時短ツールのオンパレードです。
今回の方法を使うと、校了が出た段階のデータから特に細かい作業をせずにいくつかの項目を選択するのみで、簡単に入稿データの作成することができます。
ちなみにこちらで紹介した方法は全ての印刷会社で使用できるデータという保証はできないので、データに不備がないかなどのチェックはきちんとそれぞれで行ってください。
事前準備
現在の時点のデータのバックアップをとります。フォルダごとをコピー&ペーストでOK。何か不備が会った際に戻るためのバックアップデータです。入稿データが問題なく作成できたら処分します。
❶ 校了したデータに文字のアウトラインをかけ(⌘+shift+O)、別名で保存をしてデータをキープ
こちらで作成するデータは後の❻のステップのためのチェック用データです。
こちらで別名で保存したデータをもとに最終的な入稿データとズレがないかを、後ほど簡易デジタル検版というスクリプトを使って確認します。文字のアウトラインをかけて、任意の名前をつけて入稿データと別の名前をつけるか、デスクトップに保存するなどして区別しやすいようにしてキープします。
❷ 画像のリサイズを行うため、スクリプト「原寸リサイズ再配置」
画像のリサイズを自動で行うため、スクリプト「原寸リサイズ再配置」を使用します。これで、画像が原寸サイズにリサイズされます。
100%以上で拡大されていた画像も「原寸リサイズ再配置を使うと」原寸にリサイズされ、解像度が足りないことに気がつかず入稿してしまうケースがあるので、もともと画像サイズが小さく拡大して使用していた画像がある場合は別途対応する必要があります。
❸ 画像の変換を行うため、スクリプト「形式変換再配置」
画像の形式が正しくない場合に修正できるよう、スクリプト「形式変換再配置」を使用します。jpegなどがあった場合も指定した形式に変換できます。
❹ カラーモードの変換(CMYKへの変換)をPhotoshopのドロップレットで行う
❷と❸のスクリプトではカラーモードの変更(RGB→CMYK)はできないので、ドラッグアンドドロップでカラーモードを変更できるようにドロップレットを作成します。
❺ アクションを使って、校了データを入稿データに変換
入稿データを自動で作成するアクションを使用して入稿データに変換します。このアクションを使用すると文字のアウトラインがかかってしまうので、この作業前にaiデータをフォルダ内でコピペして未アウトラインデータとして保存します。
この工程で出来あがったデータが最終的な入稿データ(aiデータ)となります。
アクションの使用後、aiデータには文字のアウトラインがかかってしまうので、未アウトラインデータのコピーをしっかり残しましょう
❻ 簡易デジタル検版でチェック
❺で作成した入稿データと❶で作成していたアウトラインのデータを簡易デジタル検版でズレがないかチェックします。入稿データと、校了時のデータにズレがないかをチェックします。(❶で文字のアウトラインをかけているのは、簡易デジタル検版が文字のアウトラインの有無も検知するため)
❼ 入稿データを「DTP File Checker」でチェックする
入稿データをアプリケーション、DTP File Checkerでチェック。入稿データに不備がないかの確認を行います。
❽ 「Batch File Exporter」でPDFを作成する
| PDF入稿の場合
PDF入稿であれば、入稿データ用のプリセットを登録し、それを選択し書き出しを行います。プリントパック への入稿などであれば入稿用のPDFをプリセットで登録することでaiデータからドラッグアンドドロップで作成できます。
| aiデータで入稿の場合
チェック用のPDFの書き出しを行います。チェック用であれば「最小ファイルサイズ」などの軽いデータで良いと思いますが、こちらはご利用の印刷会社に合わせてください。
まとめ
今回はこれまでの記事で紹介してきた自動化のツールやスクリプトなどの機能を使って、入稿データの作成を自動化していく方法のまとめでした。
ご自身の入稿先に合わせてこれで問題がないか、またデータのズレなどが発生してないかは確認する必要がありますが、私はこの方法でかなり入稿作業が早くなりました。
自動化できるところは自動化してスムーズに作業しちゃいましょう。
それでは、今回はこのへんで。