デザインのスキルアップに!デザインサンプリングをはじめよう

新人デザイナー
気になるデザインや好きなデザインはたくさんあるのですが、そこからデザインのエッセンスを抽出する方法を教えてください。

今回のエントリーではこのような良いデザインからそのデザインのポイントを分析し、自分のデザインの引き出しに増やしていく「デザインサンプリング」の方法を紹介していきます。

この記事の内容
・デザインサンプリングとは
・デザインサンプリングの手順

こんなデザイナーが記事を書いています

 

 


 

デザインサンプリングは音楽のサンプリングのようにデザインの一部分をサンプリングして分解し、構造を理解しそれを自分のデザイン制作に生かすというものです。

 

過去の曲一部を流用する音楽のサンプリングとは少し意味合いが違います。

過去の曲や音源の一部を流用し、再構築して新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のこと。または楽器音や自然界の音をサンプラーで録音し、楽曲の中に組み入れることである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

 

この記事で紹介している「3.デザインの分解」からさらに一歩先、分解したデザインを実際の制作に取り入れていくステップになります。

デザインの独学にもオススメ!デザイン上達の近道はデザインの分解から

 

(デザインの分解)

 

(デザインの分解→デザインサンプリングの図)

 

先の記事でふれたデザインの分解で構造を理解し、それを真似て制作することで自分のレイアウトや技の引き出しを広げていくという内容ですね。

ねこひいきデザイン部
いいデザインを紐解いて、そのデザインを作れるようになる」ということですね。

 

デザインサンプリングの実際のステップ

デザインサンプリングをする時には元のデザインをある程度の解像度でピクチャできるサービス、アプリが必要です。個人的には、dマガジンがオススメですが、元デザインを豊富に選べるという点ではpinterestも使い勝手がよいと思います。

 

今回は綺麗な画質で紹介したいので私のオススメのdマガジンから、iPadのスクリーンショットで画像化します。iPadを使う理由としては、PC版と比較したときにズームしてキャプチャした画像の文字がボヤけないため。

今回サンプルとして雑誌fudgeのこの組み方をサンプリングします。

 

 

私はこの組み方が、けっこう気に入っていましてこんな感じの組み方を取り入れることが多いです。シンプルだけど、スタイリッシュな印象にまとまるので品が良い商品のデザインなどにも使い勝手が良いですね。

 

では、実際に分析して組んでみます。まず見本を用意しましょう。今回はこの画像の右上の部分、

 

 

この部分のデザインサンプリングを行います。

 

まずは、見た目でデザインをコピーしていきます。フォントも完全に一致させる必要はないので(書体をもっていないケースもあるので)見た目で雰囲気を近づけて組んでいきましょう。なるべく近づけるつもりで、組んだ方がいいですが、一致しなくてもかまいません。ただ、自分がいいなと思うバランス、印象になるように組んでいきましょう。

 

 

こんな感じですね。これがデザインAです。

組み上がったら、今度は別のファイルとして、完全なコピーをめざして組みます。フォントもなるべく同じものを目指します。元データのデザインでは本文がどのような書体を使っているのか、キャッチやキャプション、欧文書体は何を使っているのか、どのように組んでいるのかなどまでの近いをめざしていきます。

 

欧文書体などは同じ書体を持っていない場合も考えられるので、なるべく近いイメージでOK。

 

作り方は、なるべく完全なコピーを目指すため、元データの透明度を低くして、それをガイドにしながら同じバランスで作っていきます。行間やバランスまでしっかりと揃え確認るように組んでいきましょう。

これによって書体やバランス、配置などをしっかりと身につけることができます。実際に組んでみると「この部分、こんなに詰めてるんだ!」とか「意外と行間狭いんだ!」といったようなことにビックリしたりしますが、これがけっこう大事です。そこで受けた印象でバランスや組み方が記憶に残ります。

 

さらにデータとして詳細に覚えておきたい人は原寸データにして実際のマージン(余白)を計測しておくのもいいでしょう。

 

このように組むことで元データではどのような書体でどのように使って組んでいるのかについてを頭と手で覚えることができます。

 

ここで組んだサンプリングデータに寄せたものがデザインBとなります。

 

デザインAデザインBを作って見た目で作成したデータと実データの違いを確認した後で、デザインAとBどちらがいいのかを自分で判断してそのデータをもとにさらに手を入れていきましょう。

 

私の場合は欧文の書体は初めに自分で作ったものの方がよかったので、それをベースにしました。文字組については実データのようにもっと詰めた方が全体の印象がギュッとまとまって密度感のある文字組になっていたので、その点を調整しました。

 

これが最終的に自分で調整したデザインCです。

これでデザインサンプリングは完了。一度目視で組み(デザインA)、実寸で配置やバランス感を解析(デザインB)そこからさらに自分の作ったものに手を入れる(デザインC)3段のステップで最終的に自分の心地よいデザインに仕上げることで、しっかりと自分の中に定着させていきましょう。

 

このように気になったデザインはキャプチャしてサンプリングをしておくと、デザインの引き出しを増やすことができます。

 

このサンプリングで作ったデザインはこちらの記事で紹介している自分のデザインアーカイブに保存しておくといつでも呼び出して使えます。

 

デザインの時短にも使えるillustratorのデザインアーカイブを作ろう

 

まとめ

今回は学生、若手のデザイナーにオススメのデザインサンプリングの紹介でした。このように「いいな」と思ったデザインを一度自分で同じように作って分析し、きちんと咀嚼した上で自分のデザインの引き出しに入れると身につきやすくなります。

 

特に見るだけでなく、きちんと手を動かすので実際の制作の感覚も身につくので一石二鳥ですね。

 

その上で、実践のデザインの現場で使っていくと、自分の中でさらに技術が定着していきます。ぜひいろいろと気になるデザインはサンプリングしてたくさん使っていくようにしてみてください。

 

それでは、今回はこのへんで。

ABOUTこの記事をかいた人

現場のグラフィックデザイナーに有用なリアルな技術やスキルアップの方法などを発信しています。 デザイン制作会社に8年→現在は都内にある日用品メーカーのグラフィック系インハウスデザイナーとして7年(総デザイナー歴15年)。そのかたわらフリーでデザインをしています。ラクにできるところはラクに!という時短デザインを推奨しています