インハウスデザイナーのメリット・デメリットを現役がまとめてみた

中堅デザイナー
インハウスデザイナーって実際どうですか?

今回のエントリーではインハウスデザイナーのメリット・デメリットをまとめました。

 本記事の内容

・インハウスデザイナーのメリット・デメリット


今回はインハウスデザイナーの「メリット・デメリット」をまとめました。前職の制作会社のデザイナーの頃と比べて、制作面や環境面、待遇面など実際のところはどうなのか?という点から書いていきたいと思います。

↓ちなみにインハウスデザイナーの業務内容はこちらに

インハウス_TOP

デザイナーのキャリアプラン。インハウスデザイナーの仕事内容は?

2019.02.13

インハウスデザイナーになるメリット

・ひとつの会社のデザインをするので、深く入りこんだトータルなデザイン制作が可能

・デザイン業務以外の渉外や予算管理など周辺業務を経験できる。

紙、WEBに問わずデザインに関われる。また動画の制作など、幅広い業務に関わるため身につくスキルの幅も広くなる

・帰宅が早くなる。自主的な休日出勤がなくなる

・クライアントがいなく内部の仕事になるのでスケジュールの調整がしやすい

・収入が上がる
 

インハウスデザイナーになるデメリット

・デザインをできる人がいない、デザインの話をできる人が社内にいないためデザインに関係する刺激を受けることができない

・仕事の理解をしている人間が少ない。そのため、無茶を言われたりそのつど納期やコスト感、デザインについての説明が発生する機会が多い

・(制作会社に比べて)社員の人数が増えたため人間関係が面倒
 

それでは具体的に一つ一つを見ていきましょう。

goooooooooooooooooood!

ひとつの会社のデザインをするので、深く入りこんだトータルなデザイン制作が可能

制作会社の頃は平均で10社くらいのクライアントの仕事を回していました。そのころに比べると、扱うのは自社のデザインのみでそうなると自然と取り扱う業界・会社が限られるぶん、じっくりと一つ会社のデザインに取り組むことができます。

制作会社の頃はスポットで会社案内だけ、カタログだけ、広告だけという仕事の取り方が多かったため、一つのクライアントの中で仕事が広がることが少ないという問題がありました。(※会社の営業力などもあると思いますが)

現在は制作するデザインに関して全体感や先々を見据えた制作ができ、販促物を通したブランディングの部分まで携わって仕事ができています。案件ごとに業界が変わる刺激や新鮮味、楽しさはなくなったものの、1つのクライアントの中で深く入りこんだデザイン制作ができているという実感はありますね。

これはどちらがいいか、デザイナーの正確にもよるかと思います。

デザイン業務以外の渉外や予算管理など周辺務を経験でき、紙・WEBに問わずデザインに関われる。また動画の制作など、幅広い業務に関わるため身につくスキルの幅も広くなる

この項目はメリットデメリットのどちらに捉えるか人それぞれの判断になるかと思いますが、デザイン以外の業務も受け持つことが多いので、それまでの制作会社時代は営業がやってくれていたような予算管理外部スタッフとの交渉全体のスケジュール管理なども自分で行う必要がある場合があります。

そのぶん、面倒も多いのですが、自分でやるというのは自らコントロールできるということでもあるので、コストのコントロールすることで趣向を変えた提案などを行うといったことも可能です。(例えば、紙媒体の制作に特殊な紙を使ったり印刷に加工を含める提案、カメラマンを使っての撮影提案を行う、新しい冊子の制作を提案するなど)


自分がやりたいと思ったことにもきちんとした理由とコスト感、仕上がりのイメージを用意して打診すれば実現させることも難しくありません。

帰宅が早くなる。自主的な休日出勤がなくなる

インハウスデザイナーになって仕事への拘束時間はかなり改善されました。制作会社時代は平均退社時間は23時ぐらい。終電も上等、またタイミングによっては徹夜することも多々ありました。

インハウスデザイナーの現在は平均の退社時間は19時から20時くらい、繁忙期以外の徹夜は皆無です。繁忙期も一年に一度あるかないか。帰宅時間に関しては、そもそもルール上で原則としてオフィスに居れるのが平日は21時まで、休日出社は不可となっているので、オフィスで仕事をできる時間は限られています。この点はインハウスになって、とてもよかった点です。


制作会社時代は家に帰ると日を跨いでおり、帰ってきたら簡単にご飯を食べて風呂に入って寝るだけ、という暮らしでしたが、今はゴールデンの時間帯のテレビをみたり、家族との団欒を楽しんだり、こういったブログを書くような趣味の時間も作ることができています。以前よりも圧倒的にプライベートが充実していますね。


ちなみに、いいことばかりのように見えますが、仕事の時間は限られるものの仕事が多くなる時もあるので、いくらスケジュールをコントロールできても仕事が終わらないこともあります。そのときは自宅に持ち帰り仕事を進めることもあります。仕事が詰まらないようなスケジューリングを組めるか、仕事をコントロールできるかというのが重要なポイントになるかもしれません。

クライアントがおらず内部の仕事なのでスケジュールの調整がしやすい

制作会社ではクライアントがいて、クライアントの都合やスケジュールが最優先されるのでデザイナー側ではコントロールが難しいことは多かったのですが、今は自分でスケジュールをコントロールできるので案件が集中する時期はそれぞれの仕事をずらしたり、依頼を受けたときに納期の相談をすることで仕事の重なりを調整することができるようになりました。


やはり社外のものとなるとスケジュールは厳守になりますが、社内だと多少は緩く進行できるというメリットはあります。

収入が上がる

転職時の条件にもよりますが、私の場合収入がかなりあがりました。一番大きかったのは賞与がきちんとでるというところ。制作会社時代は8年間の中で片手に収まる程度しか賞与の支給はありませんでした。その頃は、基本的に賞与は期待できないという感じでした。

それに対して、現在はしっかり年2回支給してもらっています。やはり賞与をもらえるというのはありがたいですね。そのぶん、貯金をしたり大きな買い物をしたりできます。この点は個人差があるかもしれませんが、私の場合はずいぶん年収は上がりました。


以上が、メリットになります。
ここまでをみてるといいことづくめな感じです。まあ負けじと(?)それなりにデメリットもあるのでご紹介していきましょう。


 

baaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaad!

デザインをできる人がいない、デザインの話をできる人が社内にいないためデザインにまつわる刺激が少ない

社内にデザインができる人がいない場合、デザインに関して誰かに助けを求めることができません。仕事が立て込んでいても自分でスクジュールを調整してなんとかする必要があるし、わからないところがあっても自ら調べたり、知り合いに助言を求めたりと、とにかく自分でやりきらなければならないという責任があります。


デザインの話をできる人がいないためデザインに関する情報は皆無です。(当たり前か・・・)同じ部署にもっと人数がいれば、そのような情報交換をできるのかもしれませんが、現時点では制作会社時代のようなレベルの話はできません。

「どこの展示会がよかった」、「新しいアプリケーションの便利な技」、「とある雑誌のレイアウトが良い」などなど。

まあ、そこは一般の企業に望むべき内容ではないのでしょう。

環境的にデザインの情報に触れることがないとはいえ、デザインの知識や技術は絶えずインプットしていかないと鈍ってしまいます。そのためpinterestでビジュアル収集をしたり、デザイン関連の書籍を毎月購入したり、いろいろなデザイン制作会社のサイトを見たりといったデザインにふれる行動を毎日意図的に取り入れるようにしています。

また、このような情報に触れにくいデザイナーは自らセミナーやデザイン仲間と飲みに行くなど、外にでて新しい刺激を受けにいくことが大事です。私の場合は会社以外の仕事をしたり、デザイナーをしている学校の同期や元同僚と会って情報交換をしたりしています。

仕事の理解をしている人間が少ない。そのため、無茶を言われたりそのつど説明が発生するなど面倒ごとが多い

制作会社のときは当たり前ですが、会社の人はデザインについての理解があったのでスケジュールや仕事の内容、それがどれくらい大変かというのは共有されていました。インハウスデザイナーではこういった理解がないので、そのつど自分で伝えていかないといけません。仕事の依頼の仕方もまとまっていないので、情報をろくにまとめずに口頭で「こんな販促物作って、いつまでに!」みたいな人が結構います。

そういった際には「このような情報が欲しい」「ラフをとりあえずでいいから用意してもらいたい」「これぐらいの期間がかかる」といったことを全て説明していかないといかないため、かなり骨が折れます。正直面倒くさいと感じることは増えました。

このような問題を解決するため依頼の際に記入してもらうシートを作成したり、作成するのにかかる最低限の期間を共有するような「依頼のルール作り」をする必要がありました。

(制作会社に比べて)社員の人数が増えたため人間関係の面倒なども発生

会社自体や会社の風土にもよるのですが、以前の制作会社は15人〜20人規模の会社で人間関係もフラットでした。まあデザイン業界自体が業界的に若い人が多いからというのもあるのかもしれませんが。

現在のインハウスデザイナーはあくまでも一般企業になるなので、本社を含めたら100人超の人数、制作会社のころより20歳くらい平均年齢が上がっているためいろいろ気を使うところは多いです。
人間関係のゴタゴタもあるようで(私は職種的に知らない)なかなか大変そうな印象を受けます。
 
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まとめ

今回はインハウスデザイナーの「メリット・デメリット」ということでインハウスデザイナーになって良かったところ、悪かったところをあげていきました。個人的な実感としては、良いところ悪いところを含め、仕事時間や待遇などかなり改善されているのでインハウスデザイナーになって良かったと思っています。

ただしデザイナーとして今後やっていくことができるのかどうか、という疑問はあるので、会社の仕事のみにとらわれず自分のスキルを高めていけるような努力をしたり、いろんな人と繋がったりといったような自らの将来を見据えた環境づくりは必要であると実感しています。


僕と同じように何年かデザイン事務所や制作会社で経験を積んだデザイナーの方で、次の転職先をお考えの方はぜひ企業のインハウスデザイナーも転職検討先に入れてもいいかもしれませんよ。

それでは、今回はこのへんで。